明日から、慎也は私にあまり声をかけてくれなくなるのかな?
 今まではたくさん声かけてくれたのに。
 ……やだよ。
 そんなこと、信じないでよ。
 お願いだから、私の好きな人を秀介だって思わないで。

 
 掃除の時間。
 私は今まで、掃除の時間が嫌いだった。
 でも、私は掃除の時間が好きになった。
 だって、慎也も私と同じ教室掃除なんだもん!

 慎也はいつも通り、私に声をかけてくれる。

「咲月!速く机運べよ!」
 何で慎也は私にばっか文句言うの?
 慎也は、私のこと嫌い?
 でも、嫌いだったら私なんかに声かけたりしないよね?
 少しは、期待してもいいかな?

 あと2分で掃除が終わっちゃう。
 嬉しいようで悲しい。

「咲月!!」
 
 ――ドクン。
 ――ドクン。
 ――ドクン。

 慎也に呼ばれた。
 それだけなのに、すごく嬉しい。今まではこんなに嬉しくなることなんてなかった。
 好きって自覚しただけで、こんなに嬉しくなるなんて。
 慎也が好きって自覚してよかった。

「何?」
「ちょっと来て」