咲月は、亮のことが好きな時、どうしていたんだろうか?
 やっぱ友達に協力してもらってたのかな?
 だったら俺も、友達に協力してもらえばいいんだ。
 だれかいねぇかな~。
 
 そんなことを考えていたら、朝読書が始まるチャイムが鳴った。
 俺は朝読書の時間、本に書いてある字を見つめて、誰に協力してもらおうか考えていた。
 10分考えた結果、佐久間に協力してもらうことにした。
 佐久間は咲月とそんなに仲がいいっていうわけではないけど、俺が咲月を好きってことをバレないように協力してくれるんじゃないかと思った。それに、同じバスケ部だし、クラスも、掃除場所も一緒。

 朝の会が終わって、佐久間に全てを話した。
「へぇ~。頑張れ」
 話を聞いて、佐久間はそれしか言わなかった。
「ちょっと、協力してくれないの?」
「しょうがないからしてやるよ。で、俺は何をすればいいの?」
 何をって……何?
「えっと……」
「好きな人聞いてきてやろうか?」
 一瞬、いい考えだと思ったが、咲月の好きな人は秀介。
 もう同じことを聞きたくない。
「いや、いい」
「じゃあ、何すればいいんだよ」
 そうだな……。やってほしいことは分かってるんだけど、上手く言葉に表せない。
「何て言うか……俺が咲月を好きってことをバレないように近づけてほしいっていうか……まぁ、そんな感じ」
「分かった。バレないようにすればいいんだな?」
「あぁ」