「咲月は仕事何してんの?」
「司法書士だよ。そのうち弁護士になるつもり」
 咲月の夢、それは弁護士。
 中学の時からなりたいとか言ってたよなぁ。
「へぇ~、すごいねぇ~。中学のころからの夢のうすご叶うじゃん」
「いや、そんなことないよ~」
 照れながら両手を前に出して左右に振る咲月。
 ……可愛い。
 つーか、俺がいること忘れてるだろ!
 2人で会話進めちゃってるし。
「慎也は仕事何してんの~?」
 やっと俺に話しかけてくれたと思ったら……。
「中華料理を扱う仕事」
 咲月に聞いてるし。
 それは普通俺に聞くだろ。
「中華料理作るの?」
「ううん。中華料理を考えたり、中華料理のダイエット方法とか、中華料理を研究するみたいな感じ」
 何で咲月に聞くんだよ。
 それはどう考えても俺の方が詳しいだろ。
「へぇ~。それって楽しいのかな?」
「さぁ……楽しいんじゃない?」
 それは俺にしか分からないことだろ。
 何でそれを咲月に聞くのか俺には分からない。
 それは仕事してる本人に聞くべきだろ。
 なんか仲間外れにされてるみたいなんだけど。