「ありがとうございました」
記念撮影を終えたあたしは、
先輩にお礼を言った。
「どういたしまして。あ、そだ写真送ってよ?」
「あ、はいわかりました!
…でもアドレスないです」
すると先輩は
スーツのポケットを
いじりはじめた。
そして、
取り出したのは
黒の携帯。
「交換、しようよ」
そういって
携帯を慣れた手つきで
操作する。
「はいっ!」
あたしも
手に持っていた携帯を開く。
「じゃあ、送信〜」
お互いの携帯をあてる。
「あ、きました」
"坂本拓人"
画面に表示された先輩の名前。
「それじゃあ」
携帯を閉まった先輩が
手をあげる。
ほんとに…
サヨナラなんだ。
「はい…。サヨナラ、先輩」
「おう、じゃあな。海ちゃん、元気でな?」
「はい…!!」
そういうと
先輩は、あたしの横を
通り過ぎた。
先輩…―
バイバイ――。

