時空の森と悪戯な風


―お互いが戻る場所―



離れ離れになるアタシ達。



仕方ないよね…



アタシは、ここにいちゃいけないし、智治はアタシと一緒に戻れない…




『よく、自分から言えたね…戻るって』



泣きじゃくるアタシを、しっかり抱き締めながら、智治が言った。




本当は言いたくない言葉だけど...



それは、言わなければいけない言葉だった。




『俺、絶対に忘れないよ。
例え弥生が圭介と一緒になろうと、圭介じゃない人と一緒になろうと、俺は弥生の側にいるから』



「うん…うん…」




辛いけど、この運命を受け入れよう。



現世では結ばれなくても...

来世には、きっと…

結ばれると信じて...