ボーイフレンド


沈黙のなか歩いていると、私の携帯がメールを知らせた。

明からだった。

メールを開くとふざけた内容に思わず笑ってしまった。

前方を歩いていた真哉が振り返って立ち止まった。

真哉の真剣な表情に私は……何だか焦りを感じた。

「…なあ、お前って海原先輩と付き合ってんの?」

突然の質問にびっくりした。

「俺さ、放課後二人でいんの見ちゃったんだよね。だからさ、実際どうなのかとおもって」

「あははっ。付き合ってないよ。海原先輩は明の彼氏なの。今日のは、明が部活で遅くなるから渡しといてって明に頼まれたんだ。なんか、知らないうちに結構、一緒にいたからかんちがいされちゃったみたい。ちゃんとみんなに違うって言ったんだけどなあ…」

「そっ…そうなのか?!」

「そ。ってか、今思ったけど、そんなの真哉に関係ないじゃん。こんなとこまで呼び出して言う必要ないよ」

真哉は、そうだよなって笑ってくれると思ってた。だけど、違った。

真哉の顔は悲しいような怒ったようなそんな表情だった。

「……お前は関係ねぇとか思うかもしんねえけど、俺には一大事なんだよ!」