「あ、俺が電話しておいたッスよ。その槍倉記念病院に…」

「…そっか。知ってたんだ、祥子ちゃんの事。」

「はい…」

俺はマリアさんのその言葉を聞いて何となく「はい」としか応えられなかった。

「それにしても…」

そんな俺を他所にマリアさんはふと周りを見回した。

俺もそれに釣られる様に見回した。

マリアさんが言いたい事、そして俺が思っている事、間違なく一緒だろう。

何せ、俺だって不思議に思っていた事だから…