Cold Phantom [後編]

「お爺ちゃんか…」

私は薬が出来上がるまでの間、マリアさんの事を少し考えてもいた。

いや、マリアさんと言うよりは「お爺ちゃん」が気になったのかも知れない。

私がこうして今を生きていると、どうしても気になる事がある。

親の事だ。

私は間違いなく誰かの子供として過去を生きてきた。

それは絶対に間違いはない。

無論その親を生んだ親も…。

でも私には…

「親の親も解らない…か。」

私はそう言って溜め息を吐いた。

やっぱり、失った過去は気になってしまうものだった。

私はぼんやりとその事について考えていた。

(そう言えば…)

そんな時になって私はふと全く関係ないを思い出す。

病院に行く前まであれだけ気にしていたのにすっかり忘れていた。

あの部屋の事だ。

誰も住んでいないし、訳あり物件なんて言われて誰が入りたがるだろうか…。

(そう言う意味では私は変わり者かも。それとも単にホラー好き?)