Cold Phantom [後編]

「買い物?」

私がそう聞くと、マリアさんは不思議そうな表情を見せた。

「処方箋は出てないの?」

「…あっ。」

私は思わず声をあげた。

風邪で薬が出ないなんてあるわけがない。

「忘れてたとか?」

「うん…ありがと、ちょっと行ってくるね。」

「はいはーい」

マリアさんはそう言って座席を倒し寝の体制に入った。

(こんな暑いのに、よく車で寝られるなぁ。)

私はそんな事を思いながら、控えめに効いたクーラーで冷えた店内に入った。