Cold Phantom [後編]

「うぅ、高いなぁ…。」

言いながら私は涙が出そうなくらい落ち込んだ。

高いと言っても治療費としては妥当な金額なんだが、アルバイトで生計を建てている私には正直痛手だ。

そこから更に薬代がかさむ。

今月は厳しいかもしれない。

「何々、若いのにそんな事気にしてるの?」

そう切り出してきたのは言うまでもなくマリアさんだった。

「私に親がちゃんといれば少なくともここまで気にしないんだけどね。」

「あぁ、そう言われればそうか。」

言いながら一人頷くマリアさん。

私はその間に軽トラの助手席に着いた。

「それにしても変な話だね。」

マリアさんは軽トラを発進させようとしたと同時に呟いた。

「何が?」

「祥子ちゃんのご両親の事。捨てたとかならまだしも、見つからないってどう言う…。」

「…。」

「あ、ごめん…そんなつもりで言ったんじゃ。」

「気にしてないよ、そう思っても仕方がないし。」