Cold Phantom [後編]

格子はあるので入られる心配は無いものの、無用心には変わりない。

私は窓を閉めようとした時、バタンっと音がして会話が止まった。

扉が閉まる音だ。

結構近い所から聞こえて私は思わず手を止める。

何処かの部屋に入ったのは確かだが、私にはそれがどこの部屋になるのか解った。

例の二つ隣の端っこの部屋だ。

確信はあった。

私の隣には人が住んでいる。

いつも早い時間に部屋を出る人で、今は誰もいない筈。

そんな部屋にいくら大家でも何も言わずに入ろうとはしない。

そうなると、後は例の部屋しかない。

そこを出入りしていると言うだけなのに私は無性に気になった。

「…」

止めていた手で窓をゆっくり閉めた。

私は何を気にしてるのか解らないが、だるい体に解熱剤を投与して今は安静にする事を先決した。

しばらくして、ヒロ君から電話がきて心配してくれているんだなと思うと、やはり風邪を治す事に専念した方が良いなと、私はベッドで安静にしていた。