Cold Phantom [後編]

「この屋敷で、かつて何かがあって打ち捨てられた。とも思ってしまうな。」

「そ、それじゃあ…ここってかなりヤバイ場所なんじゃ…。」

「いや、かなりヤバイ場所゙だっだって所かな。見てみろ、旧世代の利器が普通に放置されてるだろ?」

「えっ?」

先輩がそう言ってまた同じ窓を指差した。

今度は上空を指すように腕を少し高めに上げていた。

その指の指す先には、明るい月を分断するかの様に黒い線がひかれていた。

先輩の言う「旧世代の利器」の意味がすぐに解った。

この時代には似つかわしくない「旧世代の利器」から目を離すと、先輩に告げた。

「電線なんて初めて見たッスよ。」

そう、それはかつての戦争で失われた電力供給の要「電線」だった。

130年以上前には原子炉の廃止等の反対が相継いでいた事もあるが、それでも長年使われてきた技術だった。

しかし、別名「核戦争」とも呼ばれた第三次世界大戦では原子炉が一番の標的にされた。

その為、各地で核爆発による被害があまりにも甚大で、場所によっては70年以上たった今も荒れ地のまま放置されている場所まである。