Cold Phantom [後編]

「大体は予想してたけど、俺の予想以上に豪華だな。」

湯川先輩が冷静に回りを照らしながら呟いた。

「ですよねぇ。真っ暗なんで豪華な内装も分かりかねますけどね。まぁ、それは置いときまして…」

犬塚はその間を作るように突然こちらを向いて…

「始めましょっか。」

「おう!…ぉぅ?」

いきなりそんな事を言い出した。

ノリで返した湯川先輩も訳がわからず二度返事した。

「決まってるじゃないですか。肝試しですよ肝試し。ルールとかも考えてるんですよ。」

そう言って、ジャージの左ポケットをまさぐり、手を広げて取り出した物を見せた。

それは蛍光塗料で淡く光っている小さな石だった。

「これをこの屋敷内の何処かに私が隠してくるので、それを見つけたら肝試し終了です。丁度8人いますし、二人一組で行動しましょっか。」

そう言って犬塚は捲し立てるように指揮し始めた。

「…鍋奉行ならぬイベント奉行ッスね。」

「はははっ…」

俺の呟きに、祥子先輩も笑うしかなかったようだ 。