「今は安全上の関係で完全に廃棄されてるんですが、30年前までは棚に薬物の入ったビーカーとかが並んでいたようなんですよ。中には劇薬になりかねない様な物や、普段は誰も使わない薬品や、生活するには縁遠い物まであったみたいで、あの屋敷内で秘密裏に何かの研究がされていたかも知れないって言う噂があるんです。今も正直謎のままなんですけどね…」

「おいおいおいおい、大丈夫なのかそんな所?」

そう突っ込むたけに視線を合わせる犬塚は…

「大丈夫だって、今は管理者もいないし、身の危険になるようなものは全部取っ払ってるんだし、肝試しには最高だと思わない?」

と言ってはいるが、たけはやはり不安なままのようだ。

正直、俺も不安だった。