「はぁ・・・・・・・・・」



今日何度目のため息だろう。



ブライアンが眉間にしわを寄せ、写真を見つめていると



「よっ!俺のキューピッド様。」



最近ようやく春が来たという、うるさい上司がやってきた。



いつもなら軽く受け流せるが、今日はその気力さえもなかった。



そんなブライアンの深刻な様子を見て、ダニエルはコホンとわざとらしく咳をしてから言った。



「今日、久々に飲まねぇか?」


「・・・・・・ダニエル。」



こんな時に、そう言ってくれる友人がいて、ブライアンは感謝した。



今日一日は仕事が出来れば上出来だろう。



と言うほど、ブライアンは精神的にきていた。



ジュリアがいなくなっただけで、こうなるなんて・・・まるで親に捨てられた子どもだな。



ジュリアがいなくなったことで、心が悲鳴をあげているのがよく分かる。



あぁ、今日は酒に頼るしかなさそうだ。



ブライアンは頷くと、写真立てを机に置いた。





今日から


長い1ヶ月が


始まる──────────




【SIDE:ブライアン(終)】