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カランカラン・・・


「いらっしゃいませ──。」




夜も更けた時刻、とあるバーに行くと、女はいた。



機嫌が良いのか、可愛い色のカクテルを、鼻歌をうたいながら飲んでいた。



ジュリアは隣に座った。



女は気付いていない。



「・・・マスター、彼女と同じものを。」



そう頼むと、女はゆっくりと視線をこっちへ向け、驚いていた。



ガタッ


「あ、あ、あなた・・・なぜ・・・」



フッと余裕の笑みを向けるジュリアに驚きを隠せず、大きな目を更に開き、震える指で指す女。



「こんにちは。エレンさん?あたし、ジュリアっていうの。よろしくね。」



品よく唇が弧を描く。


今のジュリアは、ブライアンも見たことがないような、男を挑発するような格好。


エレンも自惚れるだけあって、容姿はいい。


だがやはり、年上のジュリアの大人の魅力には負けるらしい。



最近はしない、多少露出の激しい服装にメイクをして、着飾っている。


バーにいる男が皆、ブロンドをアップにして露(あらわ)になっている白いうなじに見入っている。