恋する魔女

「・・・っていうことがあったの。」



その夜、部屋のソファーで寛ぎながら今日のことをさっそくブライアンに報告した。



『何だかせっかくのお出かけを台無しにしてしまったようだね。』



ブライアンも苦笑いしていた。



「フフ・・・でも、その後はコニーも上機嫌で過ごしていたから問題なかったわ。」


『それなら良かった。君の大切な友人を困らせてしまってはあんまりだからね。』


「ありがとう。ねぇブライアン、それで・・・そのダニエルって、本当はどんな方なの?」



さっそく本題にうつるジュリア。



『う〜ん・・・そうだねぇ。大体は前にも話した通りなんだよ。』


ん?前にも話した?


「え?あたしに話してくれたことあったの?」


『ほら、レストランで話したじゃないか。ユーモアのある上司ねって君も言っていた男だよ。』


「・・・・・・えっ!?嘘?!」


『そっか、顔は知らないもんね。彼が僕の上司だよ。』



何でもないように言っているが、ジュリアは慌てた。



「どうしましょう、ブライアン!」


『どうかしたかい?』


「あたし、そうとは知らずに、あなたの友人に話す感じで軽い気持ちで喋ってしまったわ。」



オロオロした声でそう言うと、ブライアンは電話ごしで笑った。