笑う夜の闇【短篇集2】


ある晴れた土曜日の夜

透き通った月は僅かな光を拾い、街を照らす

男と女はレンタルショップに立ち寄った

思い思いの映画を選び、これからまた独りの時間を過ごす

男はコンビニで弁当と雑誌、煙草を買って帰る

女は特に他に用事はないので、真っ直ぐに帰宅する


二人はそんなつもりで店を出ようとした


外は雨

さっきまでの晴れた空が嘘のように

大粒の雨が地面を打ち付け、
女の足元に跳ねた

飛び跳ねる雨粒を避けようと、片足を上げた女が、手元から落とした映画のDVD

突然の雨に足止めされていた男は、女の落としたそれを拾い彼女に手渡した

男は彼女を

女は彼を

雨の中、お互いを見た