「こっちで飲め」 私は玄関で眠っていたらしく、体を庇いながら起き上がりソファーに腰掛けた。 カラカラの喉に一気に牛乳を流し込む。 「で、どうした?」 「何でもない」 「体中に痣作ってか?」 「うん」 「言いたくないなら、わからないように隠しとけ。バレタ以上は話せ」 「でも 殴らない?」 「俺は女には手をあげない」 「違う。今から話す話に出てくる人を殴らない?」 「それは話を聞いてからだ」