そして、この街に住むようになって、伸也さんに昔言われたことの意味がわかってきた。 この街では性が売り物となっている。 自分の体を商品にする10代の女の子。 そしてそれを買う男達。 私のような目にあう子は1日何人いるかわからない。 そんなことが隣でおこっていたとしても、見知らぬ振りで通りすぎる人々。 誰も手を差し伸べ手なんかくれないんだ。 だから、この街にきたからには、どんな目にあっても文句は言えない。 眠らない街と呼ばれるこの街は冷たく凍り付いたような街だった。