「俺が恥ずかしいから、とにかく車に乗ってくれ」と私は無理やり助手席に放り込まれた。 「人がせっかく受験の開放感に浸ってるのに」 わざと口を尖らせて久しぶりにに我侭を言ってみた。 「帰ってからたっぷりと浸ってくれ」 「はい。はい。伸也さんは私が恥ずかしいわけね」 「受験から解放されたと同時に、我侭っぷりも開放か」 「悪い?!」 「いいや。そのくらいが可愛い。俺は受験に少し焼いてたからな」 「ズルイ」 「何がだよ」