大学進学を決めた私は毎日勉漬けだった。 それなりにはやっていたけど、受験に必要な学力はまったくと言っていいほど足りない。 だから、毎日必死だった。 たまり場に行くことも週に一回にして、学校をサボることもなくなった。 担任の勧めで予備校にも通った。 予備校帰りのお迎えはどんなに仕事が忙しくても、伸也さんがしてくれた。 私達が2人でゆっくり話せる時間はそのときだけ。 寂しいと思うことはあったけど、自分のためだから「寂しい」と伸也さんには言えなかった。