アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女



少しだけ震えた声で。



「亜美は強いな」


「辛かっただろう」


「怖かっただろう」


「これからは一人じゃない」


「我慢しなくていい」




最後の言葉で、私の心が音を立てて崩れた。



どれくらい泣いただろう。



伸也さんの暖かい腕の中で顔をうずめながら声を出して泣いた。





伸也さんの服から香るタバコの匂いが、私を安心させてくれた。



伸也さんの言葉が何かの呪文のように、私の頭に響き渡り温もりを届けてくれる。



私が落ち着くと、伸也さんは体を離し、頭を撫でた。