私は伸也さんの洋服の裾をつまんだ。



「離すなよ」



「はい」




ファミレスから10分くらい歩くと、“shot”が見えてきた。




「中入ったら、もっと強く掴んどけ」



「はい」




“shot”の中は、若者達で溢れ返っている。



酔っ払って床に寝ている人を踏みつけながら、騒ぎまくる若者。



外のネオンよりキツイ光が店内を包む。



伸也さんの後を歩きながら、店内を見渡した。



その途端にビクンと音を鳴らしたかのように、体が強ばった。



そして、体中の力が抜ける。



「やめて」