「痛かっただろ」 優しく私の手首を摩ってくれる伸也さんに抱きついた。 「どうした?」 「好き」 そう言って伸也さんを見上げると 「そんな顔するな」 と、またぶっきらぼうな言い方をする。 「どうしてそんな言い方するの?」 「お前のその顔見てたら、また理性が吹っ飛ぶ」 その言葉を聞いて嬉しくなる。 私に対して冷たい言い方をするのにはきっと伸也さんなりの意味があるんだ。 今度からはこうやって聞けばいい。