アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女



そんな私の小さな抵抗は物の見事に無視された。



またまた相槌すらしないまま、スーツに着替える伸也さん。



ムカついている時にでさえ、カッコいいと思ってしまう自分が悔しい。



私ばっかり伸也さんが好きで嫌になってくる。



これ以上、伸也さんといても自己嫌悪に陥りそうな私は「行くから」と一言言い残し部屋を出た。



溜まり場に行っても、もちろん誰もいない。



まだ、一時間の居残り中。



こんなことなら、私も居残り組みのほうが楽しかったかもしれない。



伸也さんはいつもクールで、たまにしか思っていることを話してくれない。



表情もめったに変わる事はないし……



いや、待てよ。



抱き合っている時だけは、物凄く優しくて、物凄く表情が変わる。



それって、私はその行為のためにいる女?



そんなはずはない。



伸也さんは私のこと愛してるって言ってくれたし、私のことはいつだって考えてくれている。