いつものように、私の右手を握り、立ち上がらせてくれた。 「歩けるか?」 コクンと頷いた私に優しく微笑みかけてくれる。 私達はそこからタクシーに乗り、マンションへと帰った。 「伸也さん」 「ん?」 「車は?」 「誰かに取りに行かせる」 「そっか」 「帰ったら、風呂はいろうな」 いつもより、何倍も優しい伸也さんに、また涙がこぼれる。