「亜美、着替えろ」 「どうしたの?」 無表情な伸也さんの顔が少し怖い。 「病院に行く」 「誰か怪我したの?」 「違う」 「じゃあ」 最後まで喋り切る前に「母親だ」と伸也さんが答えた。 「ママ?」 「面会できるようになった」 「わかった」 私はジャージを脱ぎ、ジーンズを引っ張り出した。 ズボンを履く手が震える。