アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女



祐は今日も私を抱きしめてくれた。



そして、涙が引くまで側にいてくれる。



優しい祐。



でも、どうしてかな?



私の心は、どんどん深い闇に落ちていくような気分だった。



祐に手伝ってもらい、3日後に引越しをすることになった。



私は最低限の物だけを鞄に詰めて、後はゴミ袋に入れた。



愛着のあるものなんて殆どないから、必要な物と言えば伸也さんにもらったもの。



それだけで十分だった。



「亜美、行くぞ」



「うん」



「荷物それだけか?」



「そうだよ」



「そっか。じゃあ車出してもらわなくても良かったな」



「ごめん」



「別にいい」



この日、荷物を運ぶのにバイクじゃ無理だからと言って、祐はお父さんに車を出してもらったらしい。



運転席に座る祐のお父さんが車を降りて、私のほうへ向かってくる。



「亜美ちゃん。初めまして。祐の父です。今日から宜しくね」



笑った顔はどこか祐に似ている。



「こちらこそ、お願いします」



頭を下げた私は胸が苦しくなるのがわかる。