私達は何の解決もしないまま、ただ2人で泣いていた。
カズの柔らかくて温かな手が嬉しくて、涙が止まらなかった。
伸也さんを失ったことで、カズの温かさに気づくことが出来た。
人は何かを失うと、新しいものに気づくのかもしれない。
何かを手に入れると、何かを失うのかもしれない。
そうやってバランスが取れているのかも。
でも、私は大切なものをすべて手に入れたまま生きていたかった。
家族も、仲間も、愛する人も……
伸也さんは私を失って何か他のものが見つかりましたか?
それが気になって仕方がない。
もう伸也さんに会うことなんてないかもしれないのに。


