「ねぇ、なんで伸也の側をウロウロしてるの?」
「なんでって」
「迷惑なのよ。伸也は私の物なんだから」
「どういうことですか?」
「伸也の始めての女は私よ。何年も付き合ってた」
「そうですか」
「伸也のすべてを知ってる。辛いときもずっと側にいたから」
「…………」
こんな話聞きたくない。
「伸也は私のことを忘れてないわ」
「伸也さんは貴方のこと、遊びだって言ってました」
「それは、女を口説く手段でしょ。これだから餓鬼はヤダ。伸也は私が拾ったの。この街で、今の立場にさせてあげたのも私」
「今は私が彼女です」
「そりゃ、男だもの女の一人や二人いたって、当たり前じゃない。あんたは今だけのお遊びよ。伸也は私を思ってる。私がどんなことをしたって、私を忘れることなんて出来ないの」
自慢げに話すレイカさんは、鞄からタバコを出して口に咥えた。
伸也さんと同じ銘柄。


