人ごみを掻き分けて、やっとの思いで外へ出た。
大きく深呼吸をして、電柱にもたれ掛かると、冷たい風が体に染みる。
私が始めてこの街に来た日から、何も変わらぬ風景。
私達はどんどんと年をとって行くけど、きっとこの街は変わらない。
何十年後に、ここへ来てもきっとこの街は変わらない。
この日のことも、きっと昨日のことのように思い出せるんだろうな。
15分くらい外にいると体が完璧に冷え切った。
まだまだ雪の残る3月に制服一枚ではさすがに寒い。
中に戻ろうと思って、入り口まで行ったけど、沢山の人が出入りしていて中々足が進まない。
このままじゃ、中に入れるのは30分以上かかる。
寒さも結構限界で、どうしようかと思っていると、ふと裏口があるのを思い出した。
裏口なら混んでいないはず。
私はお店の壁に沿って歩いた。
すると入り口とは真逆に小さな入り口がある。
きっとここだ。
お店の裏は外灯が少なく薄暗い。
高い塀に囲まれているお店は周りからは視覚になり、少し気持ち悪い感じがする。
でも、これ以上寒さを我慢することは出来ない。
私はドアノブに手をかけて、ドアを開いた。


