「殆ど、伸也さんの知り合い。後は、社員さんの知り合いかな」
「そうなんだ」
カウンターに座り、お店全体を眺める。
半分が伸也さんの知り合いだったとしても、すごい人数。
この街を仕切る人の力を見せられた気がする。
伸也さんの周りには、次々に人が入れ替わり立ち代り集まっては頭を下げる。
私の知っている伸也さんは、ほんの一部でしかない。
めったに見ることのできない、外での伸也さんの顔を私はただじっと見つめていた。
クラブ独特の雰囲気に、私の心臓は普段より早く脈打ち、体温も上がっている気がする。
段々と頭がポーっとしてくる。
少し外で頭を冷やそう。
「外に行って来る」とこたぁに言おうとしたけど、カズはこたぁの肩で眠ってしまっている。
幸せそうな2人を邪魔したくなくて、私は何も言わずに外へと向かった。


