少し緊張しているせいか、声が震える。 「亜美は付き合ってる奴いるの?」 「いません」 男の人に“亜美”って呼び捨てにされたのは初めてではないのに、心臓が脈打つ。 「じゃあ、今日から俺の女ね」 「えっ?はい……」 恭は初めから強引で、自信たっぷり。 恋をしたことのない私は彼氏という言葉に酔っていたのかもしれない。