もうこれ以上は行き場がない。 小路に入ったのが不味かった。 目の前に広がるのは灰色の大きなコンクリート塀。 行き止まりだということを確認した途端、血の気が引くのを感じる。 「アミちゃんだっけ?鬼ごっこは終わりだよ」 不気味に笑う男の笑みに鳥肌が立つ。 壁を背に覚悟を決める。 ヤラれるくらいなら、戦ってやる。 「そんな怖い顔しないでぇ。お兄さん達と遊ぼうね」 また一人、男が増えた。 これで5人目。 さすがに5人相手じゃ勝ち目はない。 でも、黙ってヤラれるなんて悔しすぎる。