ママとの約束の時間が迫っている。
伸也さんは仕事だから、溜まり場にいるけど落ち着かない。
「亜美、今日、変じゃない?」
「そんなことないよ。そろそろ出掛けるから」
「どこに?」
「実家」
「戻っちゃうの?」
「違うよ」
「良かった。じゃあ、また後でね」
伸也さんには、何も話してないけど、私は一人でマンションを出た。
マンションを出ると、ガヤガヤとうるさい風景。
沢山の人が私の横をすれ違うけど、私の存在なんて気にも留めない。
こんなに沢山の人がいるのに私は一人ぼっちだ。
この街は沢山の人がいる分悲しい。
この街の沢山の人は私を知らない。


