カズは泣きつかれて、伸也さんの腕の中で眠ってしまった。
こんな時に、私はカズに対して嫉妬心を感じてる。
伸也さんに背中を摩られ、眠っているカズ。
こたぁを思って泣いたカズに嫉妬するなんて、私はどうかしてるんだ。
「亜美、お前も少し寝ろ」
「眠れたら寝る」
もう外は完璧に明るくなり、新たな一日が始まろうとしている。
でも、私の中ではまだ昨日の悪夢は終わっていない。
もしかしたらあの日から、新たな一日なんて来ていないのかもしれない。
連絡を待つ時間が、物凄く長く感じる。
伸也さんは左手に携帯を握り締めたまま、何も喋らない。
どうして何かを待っているときに限って時間は早く過ぎてくれないんだろう。


