アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女



静まり返った部屋の中に、突然響いたドアの開く音に緊張が走る。



「伸也さん」




カズが玄関へ向かって走っていく。




私もその後に続いた。






「こたぁは?」



泣きそうな声で聞くカズに、伸也さんは悔しそうに顔を歪めた。




「俺達が着いたときには、誰もいなかった」



「えっ?」



じゃあ、こたぁは?




カズが泣きながら伸也さんに掴みかかる。



「ねぇ、じゃあ、こたぁは?こたぁはどこ?」



「カズ、落ち着け。今探させてる」



「いつ見つかるの?」



「今日中に見つけさせる。お前らはシャワーでも浴びて、なんか食え」



「こたぁが、行方不明なのにそんなことできない」



カズは伸也さんの体をバンバン叩き泣き叫ぶ。



伸也さんはそれに抵抗することなく、カズを抱きしめた。