そう言えば、私はこたぁのいる場所を伸也さんにきちんと伝えただろうか?
意識が朦朧とする中で、言ったか言えなかったすらわからない。
私が場所を言えていなかったら、いくら伸也さんでも助けようがない。
時計の針はもう4時を差していた。
私たちがマンションを出たのは23時だから、伸也さんたちが助けに向かってから3時間近くたつはず。
カーテンの隙間からは光が差し込んでいる。
カーテンを開けると、薄暗い空に消えそうな月が見えた。
私はその月に手を合わせて祈った。
今の私には、そのくらいのことしかできないから。


