カズの顔が、もうハッキリと見えなくなるくらいまで離れた時、ドスッという音とともに私の腕を掴んでいた恭が倒れた。
「亜美、来い!」
「こたぁ!」
「俺は男たちを引き付ける。その間にカズを連れて伸也さんの所に行け」
「でも!一人じゃ……」
「俺はそんなに弱くねぇぞ。お前らがいるほうが足手まといだ」
「わかった」
私達はカズの元へ走った。
「カズ!」
カズはまだ男達に押さえつけられている。
その中へ、こたぁが突っ込んだ。
「カズ!亜美!逃げろ!」
「でも、こたぁが」
こたぁ、一人を置いていくことに躊躇っていた私の手をカズが掴んだ。
「亜美、走って!」
私とカズは“shot”に向かって走った。
涙か鼻水かわからないけど、顔はグシャグシャで、足も絡まって何度も転びそうになる。
その度にお互いを庇いあい“shot”の中へ入った。
あと少し。
この階段を上がれば、伸也さんがいる。


