「しょうがないなぁ」
恭の顔が一瞬、視界に入る。
あの頃と何一つ変わらない恭の顔。
悔しさがこみ上げてくる。
「その子、押さえておいて」
恭と一緒に来ていた3人の男達が私とカズを引き離し、暴れるカズを押さえつけた。
「恭さん、大人しくしませんよ」
「殴ってでもいいから黙らせろ」
カズは私を助けようとして暴れてる。
それなのに私は……
大切なカズに傷なんてつけられたくない。
震えている体に力を入れた。
「やめろ!」
男たちに向かってそう叫んだ。
「亜美が大人しく着いてきてくれるなら、その子には手は出さないよ」
「わかった」
「亜美、駄目!行っちゃ駄目!」
と涙を流して叫んでいるカズに向かって、できる限りの笑顔を向けた。
「ありがとう」と「ごめんね」の意味を込めて。
もう会えないかもしれないカズの顔を目に焼き付けた。
仲間になってくれてありがとう。


