「亜美が好きなのは俺だよな」
背後から聞こえた、聞き覚えのある声。
その声を聞いた瞬間、全身に鳥肌が立つ。
カズは声のほうへと振り向いたけど、私は体が固まって動けない。
「誰ですかぁ?」
「亜美の彼氏だよ」
カズ、逃げなきゃだめ。
「亜美、ホント?どうしたの?震えてるけど大丈夫?」
「カズ、逃げて……」
「えっ?」
「お譲ちゃん、亜美のこと少しだけ借りるね」
そう言って、恭に腕を捕まれた。
「離して」
「女の子には手荒なまねしたくないから、言うこと聞いてね」
「亜美の手を離せって言ってんだろ!!」
聞いたことのないようなカズの低い声。


