「お前、俺の女になるか?」 「えっ?」 「嫌か?」 「嫌だ」 沢山いる女の一人になんてなりたくない。 伸也さんは大きなため息を吐いた後、私の目を見て話し出す。 「今日から俺の女だ。いいな。お前に拒否権はない」 この言葉に私は恭を思い出す。 恭との始まりもこの言葉だった。 「……ゃ、だ」 「あっ?」 「いやだぁ!」 私は小さな子供のように泣き叫んだ。 伸也さんは困った顔をしながら、私の背中を摩っている。