わからない。
この時歯車は、壊れる目前だった。

「りぃ…ちゃん?」

唖然としたあたしに愛ちゃんは声をかけた。

「は、はは…」

もういいよ。
そう言いたかった。
なんで?
わかんない。

愛ちゃん…
あたしから離れて―?


「あははははははっ!」

クラスに響く下品な笑い声。
誰のかもわからないざわつき。

「離れなよ、愛…」

みんなが口々に言う。
「……うん」

身を守るため…
愛ちゃんはあたしからそっと離れ、静かに自分の席に座った。


「はあ…」

ため息が漏れる。
もうめんどくさい。
もう、いいや。
そう感じていた。