【完】TEARS−ティアーズ−



暫く待っても、篠原は出て来ない。

7組の前で待つ俺を女グループはチラチラ見てくるし。


うぜぇ。

つか、アイツ遅すぎなんだよ!


7組のドアがら教室を覗き込むと、俺がさっき声をかけた女が篠原と話していた。



「おい、篠原!」



そう呼ぶと、クラスの奴等が一斉に俺を見る。

ああ?
なんだ?

声そんなデカかったか?


教室を見回しているうちに、俺の視界のはしに走る姿が見えた。


それは篠原で。


慌てて教室の後ろのドアから飛び出していく。