「頭振り過ぎじゃね?」 「え? そ、そんなこと…」 “ないよー”って続けようとしたけど、郁君の言う通り頭を振りすぎちゃったのかクラクラと眩暈がする。 「おいっ!?」 ふらついたあたしを支えてくれたのは郁君の腕で。 「うわぁ、ごめんっ!」 「いいけど、やっぱ体調悪い?」 「ううん、大丈夫…」 には見えないよね。 郁君の腕を掴んで、姿勢を戻したあたしは顔をあげて、 「ちょっと頭振り過ぎたかも」 なんて笑ってみる。