【完】TEARS−ティアーズ−



「頭振り過ぎじゃね?」

「え? そ、そんなこと…」



“ないよー”って続けようとしたけど、郁君の言う通り頭を振りすぎちゃったのかクラクラと眩暈がする。



「おいっ!?」



ふらついたあたしを支えてくれたのは郁君の腕で。



「うわぁ、ごめんっ!」

「いいけど、やっぱ体調悪い?」

「ううん、大丈夫…」



には見えないよね。

郁君の腕を掴んで、姿勢を戻したあたしは顔をあげて、



「ちょっと頭振り過ぎたかも」



なんて笑ってみる。