「い、郁ぅー。どこ行こう?」 「だから知るかよ」 小声で聞いてくる正宗に、冷たい一言。 隣で『郁ー、郁ー』と何度もうるさく呼ばれたけれど、今日は無視って決めたから。 悪いのはお前だ、正宗。 「もしかして考えてないのー?」 はぁ? と少し怒った表情を見せる南に、 『ごめんね、ごめんね』 と何回も謝って、 『どっか行きたいところない?』 なんて逆に聞き返していた。 つか、誘ったのお前だろ。 どこも行くところがないなら、帰ればいいんじゃん。 俺は解散の方が有り難いんだけど。