【完】TEARS−ティアーズ−



「……んん」



ベッドに潜り込んでいた僕は携帯の着信音で目が覚めた。

サイドテーブルに手を伸ばし、音の鳴っている携帯を探す。


結局、昨日家に帰ってから休んだのは持ち帰った仕事を終わらせてから。

いつもよりは早めに休んだけど、熱のせいか何度も目が覚めてしまった。

目が覚める度に水分補給はしたけど。

症状は悪化するばかりで。

今も頭はガンガンと痛いし、体はダルイ。


やっと見つけた携帯電話の通話ボタンを押し、耳にあてる。



「……もしもし」



自分の出した声にあまりにも元気がなくて、僕自身も驚いた。



「え? 高峰さん? やっぱり体調悪くなった?」



耳元に聞こえるのは南さんの声。



「あー……、大丈夫ですよ」

《何言ってんの? 全然大丈夫そうじゃないからっ!》



少し怒った声に、笑うと、南さんはもっと怒って。



《とりあえず寝てて! いい!?》



そう言われた僕は『はい』とだけ頷いた。



暫くして、今度は家のチャイムの音で目が覚めた。

ベッドから重い体を起こし、壁で体を支えながら、何とか玄関に向かって。


ドアを開けると、



「へ? み、なみさん?」



が両手いっぱいに荷物を持って立っていたんだ。