【完】TEARS−ティアーズ−



「そんなものですかね?」

「そんなもんですよ」

「南さんは優しくて温かい人なんですね」

「……高峰さんって。
思ったことハッキリ言うタイプなんだね」

「え? あ、こういうのって駄目なんですか?」

「駄目ってわけじゃないけど、乃亜は苦手だったんじゃない?」

「苦手……。ああ、そうだったかもしれませんね。
僕なにもわかってなかったのかもしれないです」



そう哀しそうに、遠くを見つめる高峰さん。


私は、よくお節介って言われる。

だから、なんだかほっとけなくて。



「高峰さん、この後の予定は?」

「え?」

「暇ならパーッとしに行く?
失恋したときは遊んで忘れるのがいいよっ」

「え……はい」



そう弱々しく笑った高峰さんの顔に。


大人の男の人が見せた弱さに。


私の胸の奥がザワついた気がしたんだ。