【完】TEARS−ティアーズ−



「本当に?」

「ん、本当に」

「絶対?」

「絶対、絶対。つか、どうかしたか? 今日の乃亜、変だぞ」



なんて郁君は笑ってて。



「あたし、郁君の邪魔になってない?」

「へ?」

「部活の邪魔になってない?」

「んー、全然なってねぇよ」

「本当の本当に大丈夫?」

「うん、大丈夫だって」

「大丈夫なんかじゃないよね?
今のミーティングだってちゃんと参加しなきゃ。
サッカーの試合出られないかもしれないよ?」



そう怒った声を出してしまった。



「あ? 誰に聞いたの?」



郁君の声も低くなって。



「正宗?」



そう聞かれて、あたしは首を振る。



「じゃあ、誰?」

「……宮坂さん」

「チッ、あいつ。
他には?」

「え?」

「他には何か言われなかった?」

「べ、別に……」

「なら、乃亜が気にする事じゃないから」



え?
それだけ?



「でも……」

「いいからっ!
乃亜は何も気にしなくていいから」



そう言われて、あたしは何も言えなくなっちゃった。

別に全部を言って欲しかったんじゃないよ。

サッカーについてどう思ってるとか、そんな詳しく話して欲しかったんじゃないんだ。


だた、あたしのせいで何かあるんなら話して欲しかった。


それだけだったのに。